野心のすすめ 林真理子

就活時、実に40社以上の面接を落とされ、
アルバイトで貧乏生活に堪えていた若い頃、
そんな毎日を日記に記しながら、
「いつか、成功した時に読み返して、感慨に浸ってやる!」
と妄想していたという作者。
そしてその後、実際にコピーライターとして成功し、
さらにそこから人気エッセイスト、直木賞作家へと成功の階段を上り、
若い頃望んだものはすべて手に入れた、と言う
林真理子さんの「野心」を持つことの効用を説いた新書です。

学生時代、いじめから脱け出すためには
そういうレベルの同級生が到底来れないようなところへ登っていくしかない!と
県内一学力の高い高校へ進学したところからはじまり、
就職が思うようにいかず、貧乏に耐えた時代には
当時流行だったコピーライターに活路を見出だし
貯金をはたいて講座に通ったりと、
常に上を目指して「ここぞ!」というところで思いきり努力する、
このエネルギーの源こそ、「野心」だった、ということです。
こういう、不遇な状況から抜け出そう、という時、
とにかく自分を高める、
自分のレベルを上げて「上に」抜ける、というのは
一番効果があるんでしょうが、一番大変なやり方ですよね。
これをやり遂げるには、やっぱり「野心」という、
ただ現状からの解放を望むだけでなく、それ以上を求めるという
「欲望」が必要なんでしょう。
(こういう元気が残っているうちに行動を行動を起こす、というのが
一番大事ですね。疲れ果てちゃう前にね)
あのバブル崩壊から、日本は極端に清貧志向というか、
「欲望」を否定する思想に片寄りすぎた面が確かにあるような気がします。
特に若い人が、今から老後の心配をして現状維持に走ったり、
逆に先のことを何も考えず楽な方へ流されたりしていれば、
歳を取るに連れてどんどん人生が尻すぼみになっていくよ、と
作者は心配している訳です。

しかし今、ほんの少し景気が上向いてきて、
人々も元気を取り戻しつつあるようですし、
(特に、バブルを知ってる世代がイチバン気分が上がってるようですがw)
無欲と言われる若い人たちも、
「より良い暮らしを求める、昔ながらの上昇思考というのも、
案外楽しいかもしれない」
という気分になってきている感じ。

だからこそ、か、この本もとっても売れているらしいです。

まさか、昔のバブル時代のように
「カネが全て!」みたいにはならないと思いますがw
すっかり忘れ去られていた「野心」という言葉がせっかく甦った訳ですから、
こういうストレートな上昇思考、欲望へ取り組む姿勢も取り戻していけると
ちょうどいいバランスになっていいんじゃないかな?と思いました。
そしてなんといっても、作者自身の人生の快進撃が痛快です!
これは他の著書で読んだんですが、直木賞を取った時、そのスピーチで
「わたしに直木賞をくれたことを、決して後悔させません」と言って、
その勝ち気さに自分で驚いた、という。そして、
「勝ち気な人、というのは初めから勝ち気なのではなく、
「勝つ」という経験をすることで、「勝ち気」になっていくんだ」
と気づいたんだそうです。

作者自身が、いつもぼんやりしていて鈍そうな、と
表現するような少女時代から
大きな舞台に立って勝ち気なスピーチをするまでに
どれだけの努力を重ね、成功体験という「勝ち」をつかみ取ってきたか。。。

その軌跡を読むだけでも元気がもらえます。

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