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最近はすっかり石岡くんファンに
なりつつありる
マユ〜。(@mayuu_pp)です。

『御手洗潔シリーズ』読破、
バリバリ進めてますよ!

今回はシリーズ第十三作目〜十五作目の感想を、
ネタバレなしでお届けします!


御手洗感想5アイキャッチ

最後のディナー




シリーズ第十三作目。

「龍臥亭事件」で知り合った犬坊里美が
上京し、
御手洗サンが居なくなった横浜で
孤独に暮らす石岡くんに
春が来た、という感じの短編集です。



石岡は、
里美の紹介で知り合った大学教授に
江戸時代の薩摩で起こったらしい
「奇跡」の謎について、
知恵を貸して欲しいと頼まれる。

当時、桜島の噴火で飢饉に襲われた薩摩に、
唯一残った食料が「桜島大根」だった。

盗めば死罪、というこの大根を、
行き倒れた旅の托鉢僧を助けるために
盗み出した老婆は、なぜ罪に問われずに
すんだのか?

ーー『大根奇聞』

里美の強い勧めで英会話教室に通い始めた
石岡。

そこで出会った寡黙な老人は、
病気の後遺症で不自由になった体を押してまで、なぜ真摯に英会話を学ぼうとするのか?

石岡は彼の数奇な運命と、最期を看取ることになる。。。
ーー『最後のディナー』



全編、石岡くんが中心で、
御手洗サンは電話出演のみ。

殺人事件、というより
人情噺的なストーリーでした。

特に「大根奇聞」は、
民話をイメージして
書いたというだけあって、
日本昔話に出てきそうな
「仏の慈悲」的な奇跡です。

そんな謎を、
アメリカの最新技術を駆使して解いてしまう
御手洗サン、なんかもうすごすきて
面白いですw

ロシア幽霊軍艦事件




シリーズ十四作目、
長編です。

アメリカに実在した、
ロマノフ王朝の生き残りであると
主張して物議を醸した女性の半生が
テーマになっています。



まだ御手洗が横浜にいた頃、
松崎レオナから不思議な手紙が転送されてくる。

レオナのファンであった老人が、
ハリウッドに渡った彼女ならできる、と
あるアメリカ在住の女性への伝言を
托してしたのだ。

その女性は、
自分はロマノフ王朝の王女であると
主張して、その財産の権利を巡った裁判で
一躍有名になった人物だった。

「箱根の富士屋ホテルにある写真を見せてあげれば、彼女が誤解されることはなかったのに」

奇妙な伝言に興味を持った御手洗たちは、
富士屋ホテルへ向かう。

見せられた写真には、
なんと芦ノ湖に浮かぶロシアの軍艦と、
そこから降りてくる兵士たちが映っていた。。。



ロマノフ王朝の生き残りとして
数奇な運命をたどった王女の人生を、
御手洗さんがその推理力で解き明かす、という趣向。

箱根とロシア軍艦、という組み合わせのロマンにはグッときますね〜!

でも、中心にある「王女」の人生が
あまりに過酷で、読んでいて辛かったです。。。

(もちろん、あくまで作者の島田氏の
解釈、ということで、
真実と決まったわけではないんですが)

魔神の遊戯




シリーズ十五作目、
長編です。

スウェーデンに渡った後の
御手洗さんが語る、
スコットランドの田舎で起こった
連続殺人事件!



ある精神障害を患った男の描く絵が、
写真のように写実的なことで話題を呼ぶ。

モチーフはスコットランドのとある村に
限定されており、
描かれた城の石積みの数や傷までが
正確に再現された驚異のリアリズムだったが、

何故が道端に虎や象が佇んでいたり、
巨人が歩き回っていたり、
木の梢や屋根の上に女の顔が乗っていたりと
時折、現実離れしたものが交ざる。

描いた男は、それが「未来の光景」だと
語るのだが。。。

そしてある夜、
絵のモチーフになった村で
木の枝に乗った女の首が発見されるーー



記憶の中の光景を、驚くほど正確に
描きだす事が出来る人がいる、
というような話は聞いたことがありますが、

そこからこの奇想天外なストーリーが
生まれるんだからスゴいですね〜。

ネス湖の湖畔で起こる、
人間技とは思えない
奇妙な殺人事件が、
最後にはまたスッキリ解決するあたり、
初期の御手洗シリーズの雰囲気が戻ってきてて面白かったです!

まとめ


と、十五作目まで読んできましたが。

「龍臥亭事件」以降は
歴史検証的な作品が増えてきた印象ですね。

「事実は小説より奇なり」
と言いますが、
これらのストーリーの元になった
人物や騒動の不思議さ・数奇な運命には
本当に驚かされます。

そういうのも興味深いですが、
「魔神の遊戯」の
鮮やかに騙された感が
やっぱり御手洗シリーズの
王道かなーとも思います。

シリーズはまだまだ、十作以上残ってますからねー!

次の作品も楽しみです!

(「最後のディナー」と
「ロシア幽霊軍艦事件」の間に
「ハリウッド・サーティフィケイト」
という外伝があるようなんですが、
今は中古でしか売ってないようで
とりあえず外しました。

今後、機会があればそれも読みたいですねー。)





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