人類は支配されないよ!『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』松尾 豊 著 書評

この本は、人工知能研究の第一人者である著者・松尾さんが、
これまでの研究の歴史から、現在の進行状況、そして今後の展望について、
分かりやすく解説してくれています。

なぜ、人工知能が「ネコ」を認識できたのが大ニュースになるのか?

この本を読めば分かる!ということで、
前からそれが不思議だったわたしマユ〜。(@mayuu_pp)
早速読んでみました。

ディープラーニングとは

人間なら、「ネコ」を見れば
その他の動物と一目で区別がつくけれど、
人工知能が見分けるためには
非常に複雑な工程が必要でした。

「毛が生えているか?耳の形は?位置は?」

など、イエスノーゲームみたいなことを繰り返して、ようやく判定を下すというのが従来のやり方だったそうです。

その判定速度はコンピュータの性能向上で
どんどん速くなっているとはいえ、
問題はこの「判定」に用いる基準を
いちいち人間が入力しておかないといけないというところ。

ネコだけならともかく、この行程を
イヌもウマも魚も入力、となると
動物を認識させるだけでも
膨大な時間がかかってしまう!

それを解決したのが
「ディープラーニング」の技術なんですね。

「ディープラーニング」では、
理解させたいものの画像を
人工知能に大量に読み込ませる事で、
ネコならネコの「特徴」を
人工知能自身に見つけさせるんだそうです。

それによって人間の手を煩わせず、
従来のやり方では考えられないほどのスピードで、
「人工知能」が世の中のことを理解していけるようになった、というのが大ニュースになった理由なんですね。

羽ばたかない飛行機

では、なぜ画期的な「ディープラーニング」の手法を発見できたか?というと。

これが面白いところで、
「人間のやり方を、そっくり真似ることをやめたから」
なんだそうです。

これは、飛行機の発明にも似ていて、
元々、研究され始めたころの飛行機は、
みんな鳥を真似て「羽ばたく」飛行機だったとか。

それを、ライト兄弟が敢えて
鳥を真似ることをやめて、
「揚力」という物理学の法則だけに注目した「羽ばたかない」飛行機を造ったことで、
初めて人類は空を飛ぶことができたというのと同じで、

「ディープラーニング」の手法も、
人間の知能の働きをそっくり真似ることをやめ、
よりコンピュータに向いたやり方で
「認知機能」を造る、という作戦を取ったことで、
結果として人間と同じくらいの速さで
物を判別したり世の中を理解することができる
可能性が出てきたということです。

だから逆に、ディープラーニングを行う人工知能が「ネコ」を見分けるのに
どんな「特徴」を使っているのか?は
人間には計り知れないものかもしれないと。

これはまさに、
人間とは「違う形の知性」が生まれる、ということ。

面白いですね〜!

人工知能は人類を支配する?

そして、こういう計り知れない「知性」が生まれると、決まって出てくるのが

「コンピュータが人間を凌駕し、こちらが支配されてしまうんじゃないか?」

という心配。

結論から言うと、
人工知能がなにかを「支配したい」というような
欲望を持つことはないんだそうです。

なぜなら、「肉体」を持たないから。

そもそも人間だって「肉体」を離れれば
(死ねば)欲望や恐怖から解放されて
仏になっちゃうわけですから、

肉体が無いところに発生した人工知能が
「欲望」にとらわれることは
あり得ない、というのも納得ですね〜。

そもそも
「能力が上回る者は下の者を支配したがるはずだ」
という発想自体が、
本能に支配された人間特有の考え方なんだということですね。

まとめ

と、こんな感じで。

今話題の「人工知能」「AI」について
基本的な事がよくわかって面白かったです。

そして何より、この著者・松尾さんの
「人工知能」研究にかける情熱が伝わってきて、熱い一冊でしたね。

「人工知能」って結局何なの?と
不思議に思っている人はもちろん、

「仕事をとられる」とか、
「人間を害するものになるんじゃないか?」と
ネガティブなイメージを持っている人にも
一読をオススメしたいですね。

きっと見る目が変わると思いますよ!

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