『いつも「時間がない」あなたに: 欠乏の行動経済学』 センディル ムッライナタン,エルダー シャフィール 著 書評

時間術の本には目がない
マユ〜。(@mayuu_pp)です。

でもこれは
一見時間術の本かな?と思わせて
「欠乏の行動経済学」の方が本題。

それが予想外に興味深い話だったので
紹介したいと思います!

お金や時間が足りなくて焦っているとき、
誰でも思考力が鈍ると感じるものですが、
実際にIQの判定が一段階落ちるほど
知能が低下しているんだそう!

これをふまえて、「欠乏」のせいで
人生に問題を起こした時、どうしたらいいのか?
そういう人をどうサポートしたらいいのか?などについて書かれています。

欠乏の罠

『才能や人柄によるとされるものの多くが
認知能力と実行制御力に立脚しているのだ。』
ーー引用

先に書いたように、
人間は「欠乏」に囚われると
頭が悪くなってしまう。

頭が悪くなる、とは具体的には
「認知能力と実行制御力」が下がるということ。
理解力や自制心、判断力や行動力といったものですね。

これらは仕事の能力はもちろん、
人間関係や子育てにも
関わりがあるので、
「欠乏」を感じると性格まで悪くなるということ!

確かに、悩んでいる時や焦っているとき
心が狭くなりますよね。

トンネリングとジャグリング

『欠乏によって処理能力に負荷がかけられると、人はいっそう、いまこの場に集中する』
ーー引用

「欠乏状態」のとき
人の行動はどうなるのか?というと、

・視野が狭くなる(トンネリング)
・その場しのぎになる(ジャグリング)

という特徴が出てくるそうです。

トンネルに入ったかのように
目の前の問題以外が見えなくなってしまう
ので、
ずっと前から対処できたはずの用事まで
目の前に落ちて来るまで放置してしまう。

その結果、あらゆる事が
その場しのぎのやっつけ仕事になるので
後からさらに大きな問題になって帰ってくることに。。。

そういう事を繰り返すうちに、
まるでジャグリングしているように
問題を放り投げてはまた受け止める、という慌ただしい状態が続き、
どんどん事態が悪化する
「負のスパイラル」に陥ってしまう訳です。

例えば、
「借金を他から借りたお金で返す」とかが典型的な例ですね。

解決策は?

『あなたの欠乏は比較的豊かだった期間に犯したまちがいから生まれているのだ。』
ーー引用

ではこの「欠乏の罠」にどう対処したらいいのか?というと。

・常にスラック(余裕)を作る

これに尽きるようです。

時間もお金も、つねに余裕を持って
計画を立てること。

でも余裕がある時には、後でそこまで深刻な問題を引き起こすとは思わず
ついついギリギリの計画を立ててしまうのが人間というものですよね。。。

今後はこの「欠乏の罠」の恐ろしさを肝に命じて気をつけたいところですが。

もう既に「欠乏の罠」に嵌まってしまっている場合にはどうするか?というと、

「自分は今、欠乏によって能力が制限されている」
ということに自覚を持つことが大事。

問題解決を意思の力に頼っていては上手く行かないので、
(「意思の力」も欠乏によって目減りしているから)
「正しい決断」を思い出させ、
「トンネリング状態」から抜け出させてくれるシステム(リマインダー)を作っておく事が大事だと。

例えば借金であれば
家計コンサルタントに相談するとか、
「自力」で解決しようとするよりも
助けを借りることを考えた方が良いようですよ。

まとめ

時間やお金が足りない!と
悩んでいる状態が
人間にとってどれだけ危険なのか、
よく解りました。

著者二人は
経済学教授と心理学教授。

この研究結果をふまえて
新しい貧困層救済プログラムを提案するNPO団体の共同創立者で、
ノーベル賞候補とも噂される人らしいので、
説得力がありますね。

なにより、この理論の根底にある
「優しさ」が良い。

人間の本来の良さが「欠乏」によって
覆い隠されている、という前提に立って
提案される救済プログラムなら
きっと上手くいくんじやないかな?と。
期待してしまいます。

個人的な問題にも、社会的な問題にも使えるこの理論。
勉強しておいて損はないですよ!

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