酒の怖さは「酒乱」を見なけりゃわからない

最近、父が飲酒を控え始めたんです。

ずっと糖尿病を患ってるんですが
いよいよ数値が悪くなってきたらしく、
今まで意地でも酒を減らすのに抵抗していた父も
さすがに具合が悪いのを感じてるのか
やめないまでも減らそう、と。

父は昔から
野球見ながらビールを飲む以外に
楽しみがない人間なので、若い時から
仕事が終わって家に帰れば即ビール、
休みの日には朝、昼、晩とビール。

定年の歳になってからは
ビールを発泡酒に変えたものの、
毎日朝、昼、晩、
3~4本ずつ1ダース近く飲むという生活を
ずっと続けていた訳です。

それが今、昼に飲むのをやめて、
朝と夜だけに変えたんですよ。

。。。そしたら、驚くべきことが!

マジで、人格が変わってきたんです。。。

ウチの父親というのは、
昔から被害妄想というか、
人の言うことをすぐ曲解して
いちゃもんをつけたり突然腹をたてたりする人で、

わたしはもちろん、
姉も弟も父のことが嫌いだったし、
いつも父の機嫌におびえて暮らしていたんです。

近所の人やお店の人とトラブルを起こすことも多くて、
父が変なことでいちゃもんをつけたせいで二度と行けなくなったお店も数知れず。

本当に面倒くさい人間の元に生まれたものだと我が身を嘆いていたわけですよ。
(まあ、子供に手をあげるようなことまではしなかったからまだいい方ですが)

そんな父が、なんと
普通に世間話ができる人間になった
んです!

今までは、なにしろどこで怒り出すかわからないので、
なるべく父とは話さない・会話を長引かせないように注意するというくらいだったのが、

フツーにこちらの言うことを理解してくれて
フツーに返事してくれる。

いやー、本当に驚きましたよ。

そしてそこで、初めて気づいたんです。

「ああ、この人、本当に『酒乱』なんだ」
って。

以前から、母だけは言っていたんです。
「お父さんは、お酒を飲むと変な風になるんだから。。。」
と。

でも全然信じてなかったんですよ。
母としてはお酒のせいにしたいだろうけど、
もとからあんな人間なんだろうと思ってたんです。

でも違った。

40年以上、父と一緒に暮らしてたのに気づけなかったのは、
仕事の時間以外、常に飲酒していたために
「しらふ」の状態を見たことがなかったからなんですよね。
(我々子供は、家でしか会いませんからね)

「酒」の影響を受けてない、残ってない父というのは、
こんな普通の人だったんだと。
この歳にして初めて知ったんです。

そして、これに気づいた時、本当にぞっとしましたね。
「酒」というものの怖さに。

「人格に影響を及ぼす」という
酒の作用のおそろしさを、改めて感じたわけです。

昔、日本で禁酒運動をしていた
牧師さんの名言

「タバコで壊れた家庭はないが、
酒で壊れた家庭は星の数ほどある」

というのを思い出しました。。。
(最近は、タバコで壊れる家庭もありそうですけどね)

酒は、健康被害というより
人間を、人間関係をダメにするから
怖いんだと。

まあ、ほとんどの人は
「楽しく飲んでおわり」という感じでしょうけど。

酒は、
「自分に弱い人間に対してだけ、凶暴な顔を見せる」
という、嫌な性格をしてるんですよ。
これは本当。

酒という存在自体に二面性があるんです。

でも正直、
今回の気づきは残念な一方で
救いでもあったんですよ。

父の「本来の人格」というものに
出会えたので。
お互いが死んでしまう前に気づけて良かった。

姉なんか、知らないまま死んでしまいましたよ。
最期まで父を軽蔑していました。

こんな悲劇があるだろうか?

しかし、酒というのは
文化的・産業的にめちゃくちゃ根付いているものなので、
悪い話というのは本当に表に出ないようになってるんですよねー。。。

そこもまた、怖いわけです。

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